Premiere Proでフィラーワード削除をどこまで自動化できる?
動画のカット作業をしていて、「ここだけ自動でパッと整えられたらラクなのに……」と思ったことはありませんか?
長尺のトーク動画になるほど、「えー」「あー」といった無駄な言葉が増えて、気づけば編集だけで数時間が経っていた、という経験がある方も多いはず。
こうした編集業界で「フィラーワード」と呼ばれる小さなノイズは、動画1本分が積み重なると、カットするだけでもかなりの時間とエネルギーを使ってしまいますよね。
今回は、そもそも削るべきフィラーワードにはどんな種類があるのか、Premiere Proの標準機能でどこまで自動カットできるのかなど、わかりやすくご紹介します!
そもそも「フィラーワード」って何?
フィラーワードとは、話しているときについ無意識に出てしまう「不要な言葉や音」のこと。
これらを編集できれいに削ると、視聴者が話の内容に集中できるようになり、動画全体のテンポも整います。
「えー」「あー」だけじゃない!無駄な言葉の種類
フィラーワードというと「えー」「あー」が定番ですが、実はほかにもいろいろな種類があります。
- 「えー」「あー」「えっと」「まあ」「なんか」「そのー」といった感動詞
- 言いかけてやり直した繰り返し(「それは、それはですね」のようなもの)
- 発話の切れ目ではないのに入ってしまった不自然な間(0.5秒以下の短い無音)
- 「〜じゃないですか?」「〜ですよね?」といった、個人の話し方のクセ
などです。
ただ、すべての無駄な音をなんでもかんでも削ればいいわけではありません。
狙って間(ま)を空けているときや、感情がこもった「あー、なるほど!」といった相槌などは、残したほうが自然な動画になります。
無駄な言葉を削ると、動画はどう変わる?
フィラーワードをすっきり削った動画は、同じ内容でも最後まで飽きずに見てもらいやすくなります。
体感的なテンポが上がるため、たとえば15分の動画が、7〜8分に凝縮されたような密度の濃さにできたりもします。
また、「えー」「あー」が多すぎると、どうしても話している人の説得力や信頼感が薄れてしまいがち。
内容の質はそのままで、動画の「伝わりやすさ」をワンランク引き上げるために、このカット作業は欠かせません。
Premiere Pro標準の自動カット機能、どこまで使える?
Premiere Proには、テキストを見ながら編集できる機能があり、無駄な言葉を自動で見つけて選んでくれる便利なフィルターが付いています。
でも実は、Premiere Proだけで完結させるのは少し難しい部分もあります。
標準機能でフィラーワードを選ぶ手順と注意したいポイント
大まかな操作の流れは次のようになります。
- 動かしたいシーケンスを選び、「ウィンドウ」から「テキスト」パネルを開く
- 「トランスクリプト」タブで、文字起こしされたテキストを確認
- 画面上部にある「フィラーワード」のフィルターをクリックして候補を絞り込む
- 絞り込まれた候補を選択して、クリップを削除
手順自体は、とてもシンプル。
ただ、Adobeの文字起こし機能はもともと英語向けに作られていることもあり、日本語だとどうしても聞き取りミスが起きやすいです。
部屋の響きやマイクの位置、話し手の声のトーンによっても結果が変わるため、完全に機械任せにするのは少し不安が残ります。
機械が間違えやすい、苦手な場面
特に自動判定のミスが起きやすいのは、次のようなケース。
- 文脈の中でどうしても必要な「まあ」まで、カット候補に選ばれてしまう
- 「ね」「よ」「か」といった日本語の短い語尾を、無駄な音だと勘違いしてしまう
- 外での撮影やマイクのブレで音量が不安定だと、聞き取りの精度自体が落ちてしまう
こういった理由から、「一括でまとめて消したら、必要なセリフまで消えてしまった」「結局、手動で手直しした方が早かった……」という事態になりやすいです。
自動で消すと、逆に手間がかかってしまう理由
ボタン一つで選んで消せるのは魅力的に見えますが、実はここに落とし穴があります。
一括削除したとき「消しすぎ」が起きる
まとめて一気に消してしまうと、前後のセリフが急に飛びすぎて、耳障りな繋ぎ方になってしまうことがあります。
たとえば、こんな問題が起きやすいです。
- 文頭の「えー」: 「えー、次のポイントは」なら、削ってもスムーズに繋がります。
- 文末の「えー」: 「ちょっと待って、えー……」の場合、自動で削ると言葉がブツ切れになり、次のセリフが唐突に聞こえて違和感だらけに。
- 息継ぎ(ブレス): 話の合間にある息の音までキレイに消し去ってしまうと、まるで息をしないで話し続けているような不気味な映像になってしまいます。
全自動の一括削除は、こうした細かい違和感を生む原因になりやすいのです。
1カ所ずつチェックせずに全削除するリスク
まとめて消したあとで「あれ、今のところ繋ぎがおかしいな」と気づいたとします。
でも、すでにタイムライン上のあちこちがカットされた後に、どこがどう消されたのか探すのは至難のワザ。
おかしい場所を特定して、手動でタイムラインを伸ばして直す……なんて裏目に出る作業が増え、「最初から自分でカットした方が早かった」という結果になりがちです。
あとからラクに手直しできるようにするためにも、消す前の「候補」の段階で一度目で見て確かめることが、実は一番の近道になります。
「候補を出して、選んで消す」のが失敗しない考え方
全自動のカットは便利。
ですが、動画のクオリティを落とさないためには、「どこを削るか」をしっかりコントロールすることが大切です。
ここでは、作業をスムーズに進めるための理想的なステップと、手直しの手間を減らすコツを見てみましょう。
じっくり確認しながら消していく流れ
理想的な進め方は、以下のようなイメージです。
- 音声から、無駄そうな言葉を自動で探してリストアップしてもらう
- 一覧を見ながら「消していいもの」「残すもの」をチェックボックスで仕分ける
- 最後に、消すと決めたものだけをまとめてカットする
このステップを踏めば、「ここの『えー』は話の間(ま)として残そう」という判断が事前にできるため、あとからの手直しが大幅に減ります。
Premiere Proの標準機能でも1つずつ選んで消せますが、30分を超えるような長尺動画だと、候補の数が多すぎてクリックしていくだけで日が暮れてしまいますよね。
手作業の負担を減らすためにも、こうした仕分け作業をよりラクに、一瞬で終わらせる工夫や便利ツールの活用をあわせて考えていくのがおすすめです。
手直しがカンタンな「安全な消し方」
万が一、消したあとで「やっぱり今のところ残せばよかった!」と思ったとき、すぐに元に戻せる仕組みを作っておくことも大切です。
おすすめは、動画を完全に「切り取る」のではなく、そのクリップを「非効化(ミュート)」にする方法。
これなら、あとからそこだけボタン一つで復活させられます。
ほかにも、カットする前のタイムラインを丸ごと別のトラックにコピーして残しておいたり、マーカーを打っておいたりするだけでも、作業の安心感がまったく変わってきますよ。
カットするかどうかの判断基準
「これは消すべき?残すべき?」というマイルールをあらかじめ決めておくと、作業中に迷う時間が一気に減ります。
残す間(ま)と、消していい言葉の見分け方
迷ったときは、次の基準を参考にしてみてください。
迷わず消していいもの
- 話の途中に入り込んでいて、消しても意味が通じる「えー」「あー」
- 「それは、それはですね」のように、言葉につまって言い直した最初の部分
- 特に意味もなく、口癖で文頭についているだけの「なんか」「まあ」
残したほうがいいもの
- 「ここからが重要で……」のあとに続く、あえて作った沈黙
- 感情がこもった「あー、なるほどね」のような自然な相槌
- 「ま、そういうことです」のように、話をまとめようとしている時の「ま」
最終的には、耳で聞いて確かめるのが一番確実。
カットする前にその前後を再生してみて、「会話として自然に流れているか」を確認するクセをつけると、失敗がぐっと減ります。
機械のクセを逆手にとる方法
もし候補の中に「これはフィラーワードじゃないのに」というものが混ざっていたら、まずはそれらをチェックから外していきます。
同じ人が同じ部屋で話している動画なら、機械の勘違いパターンもだいたい同じ。
たとえば「まあ」という言葉が毎回間違われてしまうなら、最初から「まあ」を検索候補から外すように設定を変えておくのがおすすめです。
次からのチェック作業が驚くほど早くなりますよ。
フィラーワード削除の作業時間をグッと短縮するために
自動カットと聞くと失敗が怖そうに思えますが、まずは候補を見ながら1つずつ選んで消すところから始めれば、実はとても安全に作業ができます。
まずは直近の短いトーク動画で、削りやすい「えー」「あー」から試してみるのがおすすめ。
一度コツを掴んでタイムラインがすっきりする快感を味わうと、「あの動画ももっとテンポを良くできるかも!」と編集のアイデアがどんどん広がっていきますよ。
もしPremiere Proの標準機能だけでは候補の仕分けが大変だと感じたり、よりスピーディーに「後から戻せる形」で処理したくなったりしたら、ぜひ専用の便利なプラグインもチェックしてみてください。
便利な機能やツールを上手に味方につけて、もっとラクに動画編集を進めていきましょう!